先日Bingo! Soroban Schoolで行われたぬり絵ワークショップに参加してきました!

「ぬり絵ワークショップ」に興味を持ったわけ

なぜ興味を持ったかというと、「なんとなく」です(笑)

いや、こどもならそう答えるかもしれません。言語化するには複雑すぎるので。それでもなんとか言語化して無理矢理一言でいえば、「自分自身のことをアートの体験を通じて感じ取ること、気づくこと」をやってみたくなったから。それを通じて、よりこどもたちひとりひとり、みんなちがう感性を感じ取る、受け止めるための準備の始まりになる気がしたから。そして何より、主催のYuki Hintzeさんと色々なお話をさせていただいていたので、その考え方、感性がとても素敵だったことが一番大きな理由でした。今後そろばん教室でこどもたちに接する上で大切なことがその中にありそうだという気がしていました。

なんとも説得力のない説明ですが(笑)、そこは直感、感性で動いたので。

参加してみて:結論

そして早くも結論。実際に参加してみて、ホントよかったです!

思いもかけず自分の中から何かが湧き出てくるのにはびっくり。どうやら自分の気づいていない自分が中にいて色々なことを感じているようです。そうか!だから最近アートの重要性が盛んに言われるようになってきたのかと納得。

このあたりのことについては、こちらがすごく勉強になります。

ダニエル・ピンク著 ハイコンセプト

山口周著 世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか

子育てとか、教育を考えるときにやっぱり、これからの世界がどうなっていくのか、とか、そこではどんな人材が求められるのか、とか、幸福な人生とは何か、とかを考えます。今目の前の学校の成績とずっと先、こどもが大人になった時のことと両方見る目が大事だな、と。こどもにとっては今も大事。でも、本当は未来につながる今が大事。そうはいっても実際は何が未来につながるかなんて誰もわからない。そのときに、やっぱりその子自身の感性が大事だと思うのです。そして、感性は磨こうと思えばいつまでも磨くことができるのです。

どんなことをしたのかというと

あまり詳しく書いてしまうとこれから参加する人から新鮮さを奪ってしまうのでなるべくわかりにくく書いてみます(笑)

1. Yuki先生の教室、コンセプト、こどもたちの変化、どんな観点でこどもの創作と内面的変化、成長を見ているかなどなど興味深いお話をスライドを交えて

具体的にこの子はこんなだったときにこんな創作をして、それがこういうことがあってこんな変化が表れて、そうしたことを見守りつつ保護者の方とも共有して、と嬉しそうにお話されているのを聞くとこちらも楽しくなってきます。

こどもたちは、自由に創作します。技法を学ぶのではなく、描きたいものを自由に描く。何もしないというのも大事な選択の一つ。このスタンスは、本当に素晴らしいと思いました。本当にこどものことを思っていないとなかなかできません。私はわかっていながらもついつい何かしらの形をつくろう、早く結果を出そうとしてしまいがちなので反省。

表現の変化と心の成長、作品から感じ取れる心の機微、それをわかった上でおおらかに受け止めて見守る優しさなどなど感銘を受けること多々。

※実はこの記事を書くために一所懸命スマホにメモを取っていたのですが、書いたことで安心してたらなんと保存されていなかったようでメモデータ全部喪失!いろんなキーワードがあったのですが、その後創作活動に没頭したらすべて忘れました。すみません!知りたい方はぜひ参加してみてください。

2. 気分を色で表現~共有

いよいよ実際に創作活動に入ります。最初はいくつかの気分(ポジティブ、ネガティブ計6種類くらい)を色で表現。

これは自由に何色使ってもいいし、形も自由、形があってもなくてもいい。面白いことに参加者も先生も共通するところが多く、それだけに違いに個性が出ていて中には個性爆発してるな~というものも。

ただ作品を眺めるだけでなく、ここで先生からいろいろな問いかけが入ります。その問いかけによって自分でも気づいていなかったことが少しずつ溶けて外に流れ出してくる感じ。あー、そうなのかも!なるほど!!それは気づかなかったー!などなど自分のことながら自分で気づいていないものが引き出されくるのはなんとも面白い感覚です。創作自体もどんどん勝手に引き出されてくる感じで没頭できて楽しいのですが、創作のあとのこうしたリフレクションがさらに面白い、醍醐味でした。

3. Beforeを色で表現~共有

これはテーマをここでは書かない方がよいと思ってBeforeとぼかしてます。Yuki先生は色彩学校で色彩心理を専門的に学び、そのメソッドによる講座を長年実施されてきました。このぬり絵ワークショップももう何十回となく日本で開かれています。先の気分の表現もそうですが、こちらも専用の用紙があり、4~5種類の絵から好きなものを1つ選んで自由に彩色していきます。

画材は、色鉛筆とクレヨン。どちらも水彩で、描いた後に水をつけた筆でのばすとふわっと色が広がっていい感じにぼかすことができ、それもまた楽しいのです。

描いているうちに夢中になって、無心とまでは言いませんが考えることも少なく直感的にどんどんこうしたいなというのが湧き出てきました。15分の制限時間があっという間。

 

リフレクションでは、それぞれ描いてみての感想と先生や他の方からの質問を機に会話が広がっていきます。それを通じて描いた本人からいろいろな物語が紡ぎだされていく感じ。そしてさっきの気分の色表現が反映されていたりしてある種謎解きみたいな。

「ここの背景はもしかして内面を表していて、ここは出来事、外面だったりしますか?」

「えーっ!全然意識してなかったけど、そうかも!」

4. Afterを色で表現~共有

こちらもさっきと同様に。個人的には、どんどん自分が解放されて自由になっていく、自分の中から勝手にどんどん描きたいものが湧いて出てくる感が強くなっていきました。この、プランしてプラン通り遂行するのではない、感じるままに表現していく、変化していく感覚がたまらなく好きでした。

他の方の作品もお話もとても面白くて個性的で素敵でした。

小グループ(参加者4名)だったこともあり、初対面でもこんな深いところまで自然に話ができるのは不思議。言葉にできないものが表現されたアートならではのなせる業かもしれません。

 

ワークショップを終えてみて

一番の感想はやっぱり「自分の新発見」があったことへの驚きでしょうか。そして何より楽しかった!

自分を解放するってこういうことなんだなあという楽しさと、やっぱり人との深いコミュニケーションができる楽しさと。

最近、世の中的にもアートの重要性、必要性がどんどん増しているということを記事や本でしばしば目にするようになってきていますね。これは、インターネットが当たり前の時代になって人々の価値観が激変したからでしょう。

これだけ豊かになって不便がなくなると、便利なモノは当たり前、楽しいコト(体験)の機会もいくらでもある、最後はヒト(人間・もしかしたら動物の場合も)と共有する時間・体験・思いetcが一番大切。というわけで現代の若い人はモノよりコトよりヒトを求めて消費行動を起こすらしいです。(リンク先の記事面白いのでぜひ)

モノではなくヒトに相対するには論理が半分、感性が半分かそれ以上に重要だと思うのですが、どうでしょうか?

そもそも、自分自身、幸せと思うのは論理よりも感性なのかなと。だっていかに論理的に完ぺきに「だからあなたは幸せだ」と説得されようが、それを決めるのは自分しかいないので。

センサリーエクスペリエンスとかセンサリーエデュケーションという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

五感をフルに使うことを特に意識して設計された体験、教育方法です。

アート、デザイナーの方から聞いたり、見学したインターナショナルスクールでまさに実践していたりとこれからの教育の重要なキーになっていくものと思っています。

そんなわけで、感性から(へ)のアプローチに非常に強く関心を持っている今日この頃、大変刺激を受けた素晴らしい体験をさせていただきました。Yuki先生、参加メンバーのみなさん、ありがとうございました!!

そして朗報!

そのYuki先生に、そろばん春休み講習第2週目にご登場いただきます!

音を感じて色に描くアクティビティをしていただきます。感性ビンビンのこどもたち、どんなことになるのか楽しみです!

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投稿者プロフィール

のぶ先生
のぶ先生
Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。