夢は今すぐかなえるべし
先日8年越しの夢をかなえてきました。
⇩そのときの様子。どこかに映ってます。
とにかく最高の体験でした!
8年も待たずにもっと早く動けよですね(笑)
Buchkinderについてはゆき先生のこちらの記事に詳しく載っています!
8年前にLeipzigのBuchmesseで出会って衝撃を受けて、いつかやってみたい・・・と思いながらそのままになってました。
でも、昨年夏期講習でアクティビティをやって、やっぱりこういうのいいなあと思って問い合わせ→デュッセルドルフで見学→絶対やらなきゃ→セミナー申し込み とやりたいものがあるならただ行動すればいいだけでした。
まず動いてみる、大切ですね!
しかも色彩心理の専門家、irotabi kidsで素敵なクラスを開講しているYuki Hintzeさんにも声をかけて一緒に参加してきました。
irotabi kids はこちら
ちなみに大人向けワークショップ、素晴らしかったです。こちら参加レポートです。
で、記事を書こうと思ったら既にYukiさんが書いているのを見つけたのでここに貼り付けます!
最近は便利なツールがたくさん、こうして自分で何も書かなくても必要なことを伝えられるという。
ということで以上レポートでした!
追記
さすがに自分で何も書かずにすべて他力は気が引けるので、かっこつけで書いてみます(笑)
まずは結論から。
- 上の写真で分かる通り、まず空間が素敵すぎる
- こどもの創造性を引き出す哲学が素晴らしすぎる。
- こどもはもちろん、オトナでも誰もがクリエイティブだって腹の底から実感できたのが何よりの収穫
- っていうかこどもの前にオトナがこういう体験してほしい。そのうえでこどもに接してほしい。
- こんな素敵な場、絶対につくりたい!
空間の重要性
上の写真の通りです。高い天井、窓から差す陽光、古い机や椅子、昔からの印刷、製本用の機械、…アナログ手づくりのモノに囲まれた職人工房のような空間がとにかく心地よいのです。
ちなみにセミナーのうち大部分の時間はそれぞれの制作時間にあてられ、作業場、本棚とソファのある空間、おしゃれなキッチン(お茶菓子が置いてある)を自由に行き来して構想を練ったりリフレッシュしたりしていました。
創造性を引き出す環境って大きいなとつくづく。
創造性を引き出すための哲学
参加者は13人。職業も様々、ウィーンから来てる方々も。指導してくれるのはBuchkinder Leipzig e.V.のLeonieさん、Andreasさん、Morisさん。
とにかく自由、個人の意思を尊重します。
Andreas さんの言葉が印象的。
“Besser ist nichts machen” ~できるだけ何もしない。
こどもたちに枠を与えずやりたいことをやりたい方法で。わからないことを聞いてきたら答えたり、難しい作業を手伝ったりはするけれども大人の役割は見守る、待つことに徹します。こどもの中から何かが出てくるのを待ちます。
思うに、そこにはこどもへの絶対的な信頼があります。
だから、何もしない子がいてもそれはそういう大切な時間を過ごしているのだからあれこれ世話を焼かない。必ずしも本をつくらなくてもいい。別のものをつくる子もいます。
面白いエピソードを紹介してくれました。
毎週来るのだけれども自分では何もつくらない子がいて、他の子の制作過程を見たりあちこち見たりさわったりしているだけ。そういう期間がある程度続いた後に突然大きなオブジェを制作し始めました。完成したものは60cm四方くらいのラビリンス。実物が部屋に飾ってありました。
あくまでこども主体。
誰もがクリエイティブ 自由について
「自由」というものは手にしてみると持て余してしまうもの。ある科学者が予見したのですが、科学技術が発展して便利になると人間は暇を持て余す、と。
「暇」ってつまり自由にできる時間だけど特にやりたいことがない状態。
創作においてもまったくの自由、ゼロベースからというのが一番難しい。
今回のセミナーは3ステップ構成で参加者が自由と創造性を獲得していくというか発揮していきました。
1 アルファベットのはんこ1つとこどもが制作した色んな版下の組み合わせで作品づくり。
2 4枚の絵と文字で本づくり。
3 絵本の自由創作
創造性を呼び覚ますトリガーが効果的に働きます。
制作したものについて簡単にプレゼンして全員に共有をします。これが非常に素晴らしいのです!
創造のプロセス 生みの苦しみと喜び
実は、何を創ろうか「よい」アイデアもなかなか出てこなくて苦しかったです(笑)
まわりを見渡せばどんどん制作を進める人、文字からのアプローチ、絵からのアプローチ、どんどん素敵なものが出来上がっていく中で自分だけ・・・
セッション1では、苦しみはまだ小さく、気のおもむくままに制作し、できた作品に対してあとづけでコンセプトをこじつけて発表しました。
セッション2では、ストーリーが出てこない!ちょっと思い浮かぶものは陳腐でつまらないし・・・なんとかそれらしくつくって発表。
まあ、苦しいと言っても楽しいうちではあるけれど。
セッション3ではもっと苦しみました。なにせ自由。どうにも動けないから、またとりあえず気のおもむくままにモチーフを彫って刷ってみて作業してたらアイデアが降ってくるんじゃないかと期待しながら作業するも何も浮かばず初日はそのまま終了。翌日に持ち越し。
翌日もなかなか「よい」アイデアは出てこない。そこであることが起こったのです。結果、クリエイティビティについて、個性について、いろんなことに対して考え方が大きく広がりました。それが今回一番大きな収穫だったように思います。もちろんそこから制作は進みだし、嬉々として本づくりという遊びに没頭することができました。
私が苦しんだのは、やはりフツーのオトナになってしまっていたから。でも、この創造のプロセスを通じて自分をそんな枠から解放できたときにまったくちがう景色が見えてきました。
よいものをつくらなきゃ、という勝手な枠。上手とか下手とか美しいとか醜いとか、よいとか悪いとか。そうしたものは自分で勝手につくった思い込み。それによって自分自身を枠にはめてがんじがらめにしていたのだと思います。
何もつくれないという状況で思ったのは、今の自分をそのまま表現しちゃえばいいんだってこと。
それ自体を遊びとして、今を楽しんじゃえばいいんだってこと。
そして、全部を自分で完ぺきにコントロールするのではなく、偶然性に委ねる面白さを楽しんじゃおうと。
カオス状態の頭の中をそのまま表現したら作品を見る人はどんな反応をするだろうか?
ちょっといたずら心も芽生えてきたら突然精神が自由になれて一気に道が開けました。
絵本の読者が、さっぱり意味不明の暗号のような絵を見て首をかしげながらページをめくっていく。
なんじゃこりゃ???
あれ?もしかして?
勘のいい人は途中で秘密を発見するかもしれない。
最後のページを見たときに察しの良い人にはなるほど!と種明かしだと気づく仕掛けにしてみました。
題名はSchau mal! よーく見て謎解きしてねというメッセージを込めて
仕掛けについてかすかににおわせるだけのテキストを入れて。
なるほどテキストを入れると表現の可能性が一気に広がります。
読み手にどう取ってほしいか。どれだけの余白を設定するか。
これは、今までの自分には決してなかったことです。自分の中に新しい自分を発見した感じ。
結局、面白がってくれる人がいれば嬉しいし、いなくても自分的には創作過程に大きな満足と収穫、喜びがあったので製本して完成したときはもう幸福感に包まれていました。そうなるとすべてが美しく見えます。
プレゼンでは、それぞれが自分の制作について簡単に説明をしていきます。みんなまったくちがう個性を爆発させつつ、他の人の話に聞き入って面白がって、それぞれみんな違う方向で素晴らしいねというあの空気感が素晴しすぎました。
参加者の制作した絵本が勢ぞろい。プレゼンを聞きながら感激。
大人も誰もがこんなに創造性豊かでしかも人の数だけ方向性も違う、本当に素敵でした。
それを可能にしたのはやはり、あの空間と指導にあたったLeonie, Andreas, Morisのスタンス、安心して創作、発表できる雰囲気などすべての要素があったからこそと思います。
感想まとめ
上にも書きましたが、そこにはよい・よくない、上手・下手、美しい・醜い、面白い・つまらない…そういった評価というものは存在しませんでした。
今まで無意識にそうした評価を気にして、求めて、個性をおさえつけてしまいがちだった自分。というか自分の個性って何?という感じ。
しかし、今回の研修で
自分を解放できた感触が得られ、
思ってもみなかったものが自分の中から引き出され、
新しい感覚・価値観(私の場合は偶然性に委ねて楽しむような「手放す」)が得られ、
創作が自分の知らない面も含めて自分を知る強力なツールであると気づき、
そうして表現されたその人の今がそのまま受け入れられるという心地よさを知り
後日、尊敬するアーティストの方と後日話して改めて気づいたのが、
結局「自分(の個性)を知る」ということにつながっていくんだなと気づきました。
そういえばこの研修の少し前に参加したirotabi kidsのYukiさんのワークショップのテーマも「色を楽しみ、自分を知る」でした。
「自分を知る」このテーマは、今後の世界を生きていく上でめちゃくちゃ重要なテーマ。ただそれについてはまた改めて。
そういえば、そろばん教室を始めるまでは「先生づら」してつくろっていた気がします。
そろばん教室を始めて、こどもと一緒にバカになって遊びまくってそれがなくなっていきました。
今は割と「素」でこどもたちと向き合ってます。
あ、いや、あんなアホやってるのが「素」だと思われると恥ずかしいので、「素で向き合っている状態」を演じているということにしておきます(笑)
いえ、正直に言うと最初は演じていたのが今はそれがそのまま素になってます。
なんにせよ、こどもたちとは「素」で、個性そのまんま本音で向き合える環境をつくることがめちゃくちゃ大切だと改めて感じました。
こどもが「素」を出せるのは、出しても受け入れられることがわかっている安心があるから。これは職場環境も同じで、Googleが「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」という研究成果を発表しています。
今回の研修、普段のそろばん教室にもこどもたちが伸びていくための大きなヒントが得られた至高の体験でした。
Buchkinder実行委員会発足
予定です。
というわけでこんな素晴らしいものをやらないのは犯罪もしくは虐待ではないか(笑)と思い、まずはデュッセルドルフで始めよう!とYukiさんと意気投合、さらに賛同してくださるアーティストの方も現れ、実現に向けて動き出したいと思っています。
こどもも大人も、自分を解放して自由に創造性を発揮できる場。
参加したい、手伝いたい、興味あるという方はご連絡ください!
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投稿者プロフィール
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Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。
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