スキーインストラクターの方とお話しました。

考えさせられるエピソードてんこ盛り

今回は、お話の中で登場した、オトナの生徒図鑑(図なし)です。

学ぶチカラ、大人もこどもも全然関係ない。

すごい子の学び力ハンパない。大人でも、え?マジで?という方も結構いたりして。

以下、ちょっと表現がブラックですが悪意はありません。「教える立場」の人間としては、こういう人が上達するにはどうしたらいいか、日々悩み苦しんでいる胸のうちを吐露しています。

処方箋は、今のところ考えつくものをあげています。もっとよいもの募集中。

自分で勝手に習得していくタイプ

他の人を見ていきなりできるようになるすごいヤツ。
一般的に、スキーレッスンではインストラクターのお手本を見て、他の生徒が滑るのを待って、自分の番が来て滑るということが多くなります。
つまり、待ち時間が結構あります。
この待ち時間の間の学びがゼロの人から無限大の人まで、ものすごい差。

お手本を観察、その後、他の人の滑りを観察、見ながらあれこれイメージして、考えて、と滑る前から既に高密度の練習をしているような人が時々います。彼らにとっては、すべての時間が学び。リフトに乗っているときも上手な人の滑りを観察、というか偵察レベル。
そんなだから勝手にガンガン上手くなっていく。
学ぶ意欲のかたまり、貪欲キング。

処方箋:じゃましない。

学びに来たんじゃないの?~教えられるのをうざがる男

・・・男に限りませんが、男に多い(笑)

決めゼリフ「わかってるわかってる」「できるできる」

と言って指導を聞く気がない。ので、当然できない・・・
でも本人、我流でできてる、いけてるつもり。

処方箋:できていないことを痛感させる。例)動画にとっていかにかっこ悪いかを見てもらう。

指示待ち忠犬タイプ

シュレップリフトといって、スキー板をはいて雪上に立ったままひっぱられて登っていくリフトがあります。
これは、途中でこけることがよくあります。

こけたら脇に出て、みんなが下りてくるまでそこで待ってて、と指示を出しておくそうです。

当然、みんなが下りてきたらレッスンに合流して下に滑っていくわけなのですが、それにはスキー板をはいておかないと始まらないですよね。

But… 板もはかず、直立不動で待つ男。早く滑りたくないの?
彼は救助隊を待っているのか?
もうやりたくないアピールだったのかもしれない・・・

そして、全員が見守る中、彼は四苦八苦しながら板をはく。
これが結構時間がかかるのです。黙って待つみんな。
板はいといてほしかった・・・

処方箋:事細かにすべて指示・・・一番やりたくないことですが…

わかった!と言って一番やっちゃダメなやつやるタイプ

斜面で立ってるときに、これやっちゃうと後ろ向きにすべっていっちゃうから絶対やっちゃダメだよ。
「ハイ!」
威勢よく返事をして、そのダメなのをやっちゃうパターン。これもよくあります。
あちゃー、聴いちゃいないよこの人。

悪い例の見本を示してくれてありがとう!

処方箋:悪い例として恥をかいてもらう 注)メンタル弱い人にはできない。

スパルタ調教親切男

これは、他のインストラクターの指導ぶりを観察したエピソードとのこと。

曲がり方を教えている様子。
なかなか滑ることができない女性に懇切丁寧に指導するこわもて教官。
滑れるようになった男どもは、その間約1時間、延々ひたすら同じ練習を黙々と。
その中には、見た顔が。あ、教えられるのうざがり男!
それがなぜかこわもて教官の命令に忠実にただひたすら同じ練習を繰り返している・・・

自由は善か悪か

教えられるのうざがり男がこわもて教官の命令に忠実に従って正しい練習で確かに上達していく。
ある種のタイプには自由を奪ってスパルタ訓練が適しているのかも・・・
自分は楽しく教えたいし学びたいけど。

ここはすごいジレンマ・

日本の教育とドイツの教育?

そしてここからはむちゃくちゃ乱暴な雑感です。

ものすごい乱暴にくくってしまうと、日本はこれまではどちらかというとスパルタ寄り、みんながある程度しっかりできるようになること重視。

ドイツは、70年代以降に変わってきたというお話で、自分の意見を主張することに重きをおく、自分で考えさせるやり方。
聞こえはいいけど、落ちこぼれが出るというか、実質ふるい落とし。みんなできるようにするつもりもない。

底上げ、つぶぞろい戦略ニッポンVS 突き抜け、ふるい落とし戦略のドイツ

結局何がいい?

そんなことはわからないけど、学び方も人それぞれタイプがちがって、向いている学び方もちがう。

今、学校教育の転換が起きつつあるけど、個性を伸ばす、個々にあった教育というのは結果として、

特定分野で伸びる子は突き抜けて伸びていく。
その分野が苦手な子との差がすさまじく開いていく。

→格差がめちゃくちゃ広がって批判が起こる

なんてことになる可能性が高いと思うので、そもそものモノサシの多様化についてコンセンサスが必要なんじゃないかなと思ってます。

いや、もっと言えば人をモノサシで計ること自体どうなのよ?

スポーツ苦手な子は無理してスポーツがんばらなくていいのに、5教科は誰もが「人並みに」できなければいけないプレッシャー。
ここが変わって、ひとりひとりの個性を真に伸ばしやすくなるといいなと感じています。

そして、学び方の原理原則は、分野によらず共通するところが大きいので、それを学ぶ機会がしっかりできるといいなと。

投稿者プロフィール

のぶ先生
のぶ先生
Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。