数千年を経て変わらぬもの

老子が好きで、こういう逆説にグッときます。

時代の変化がすさまじいこういう時に一番大事なのは「不易流行」ではないかと思います。

「不易流行」
いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものをも取り入れていくこと。また、新味を求めて変化を重ねていく流行性こそが不易の本質であること。

三省堂 新明解四字熟語辞典

老子の逆説的表現は本質をついていていつも頭の隅にあります。

有名なものでは、「柔よく剛を制す」「上善は水の如し」「無用の用」「大道廃れて仁義あり」「知る者は博(ひろ)からず、博(ひろ)きものは知らず」・・・
そして極めつけは、「学を絶てば憂い無し」。
戦争も、地球の環境破壊も、すべて人間の浅智慧がもたらしたものですね。
大事なのは、知識をどう使うのかという大きな智慧なのでしょう。

「空」はすべてを包含する?

車輪、壺、窓、部屋の喩えも非常に象徴的です。中心が空だからこそ大きな意味を持つ。
車輪の中心が空で軸になっているから意味を為す、壺に空洞がなかったら意味を為さない、部屋が空っぽの空間だから意味を為す・・・
無いこと、空っぽであることの意味。

こどもたちに接していて一番大事なことって何でしょう?
知識や技術、何かのスキルを中にいっぱい詰め込むこと?
それとも、器をつくること?

本当の豊かさって?

ハリーポッターの冒頭にあふれかえるほどのおもちゃに囲まれた太った男の子が出てきますよね。名前忘れちゃった・・・
楽しめるものに囲まれてる状況は、まるで現代のこどもの状況みたい。

こどもが楽しめるように工夫しつくされた動画、ゲーム、遊び方、習い事・・・
次から次へとそれらを消費するのに忙しくて、暇な時間なんてほんのちょっと。
本人は大いに楽しんでいる。

でも、そこで忘れられていることがあるのでは?

いつも誰かが楽しみをつくり出してくれる。つまらない、飽きたらいくらでも代わりに楽しそうなものがある。

貧しいからこその豊かさ

一方、おもちゃも何もない状況の子は、楽しむために自分で色んな想像をめぐらせ、あるものを最大限に活用して遊ぶしかありません。
ないものは自分でつくり出さないと遊べません。
この子たちにとって、楽しさは自分でつくり出すもの!

あれがないからできない、これがないから無理、と言いがちな子。
やってみたいからなんとかできる方法をひねり出してつくってしまう、遊んでしまう子。

ブラジルのストリートサッカー、昔はボロ布を丸めてボールにしてたんですよね。
日本の野球少年たちもはるか昔はそうでした。

ないものは、つくっちゃえ!

フランクフルトの教室でボールを使って遊ぶことがあります。
先日、ボールを持っていくのを忘れました。
そうしたらこどもが紙をくしゃくしゃに丸めてボールにして投げ始めました。
そうそう、これ!

とても嬉しくなった瞬間でした。

投稿者プロフィール

のぶ先生
のぶ先生
Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。