今回は、そろばんの生徒さんではないお子さんのお話。

算数が苦手・・・その原因とは?

日本に住む知り合いで小学5年生のお子さんを持つ方から相談を受けました。
「学校がつまらない」
「算数が特に苦手」
お子さんと話してみたところ、宇宙についてものすごく詳しかったり、化学の知識がすごかったりと知的好奇心旺盛、話していても随分賢いのがわかります。
それなのになんでだろう???

「算数のどんなところがイヤなの?」
「計算が追いつかないんだよね」

あ、そっか!
そうでした。計算スピードは非常に重要なんです。
日本全国の小学校の先生への調査から、計算はできるけれどもスピードが足りないことで算数が苦手になっていくケースが非常に多いそうです。
つまり、頭のよさに差があるわけではないんです。
「わかる」と「できる」、さらに「ラクラクできる」の間にはそれぞれ大きなギャップがあります。
わかるけれども、上手にできない子。
わかるし、ラクラクできる子。
頭のよさは大して変わらないけれども、この差はものすごく大きいのです。
でも、ラクラクできるまで練習したかどうかだけのちがい。
詳しくはこちらのページをご参考ください。
「ドラゴン桜」の仕掛け人、編集者の佐渡島 庸平さんが解説している動画を紹介しています。
くり上がり、くり下がり、2けたの計算、九九と計算の要がたくさん出てくる2年生が超重要とのこと。

【新小2&小3限定】かけ算九九特訓講座

このことを思い出して、小5とはいえ、九九を確認していきました。
「九九はできるよ」とその子が言うのですが、いざやってみると、
「えっと・・・」と考える時間がしばしば。正解はするのですが、やっぱりスピードが圧倒的に足りない。これでは日々の算数が大変すぎる・・・

そろばん教室でも、九九はとにかくスピードアップ、瞬時に答えが出るまでは何段階かにわけてゲーム的にタイムトライアルで練習を重ねています。
タイムを縮めていくのはわかりやすく、その都度達成感を味わえるので、子どもたちは喜んでやります。

ドイツの学校算数の問題点

日本の学校では九九を徹底的に練習させてくれる先生がほとんどですが、ドイツではそうではないので、九九が覚えきれない子、なんとかやっとできるという子があまりに多くてびっくりします。中学生でも「えーっと・・・」と苦戦する子が相当数いるんじゃないかと思うほどです。
4,5年生で九九を瞬時に答えると「天才!」と言われるとか、母親同士の会話で7×8=56を普通にスラっと言ったら「なんでそんなすぐにわかるの?」とびっくり仰天されたとか、日本人としては逆にその反応にびっくり仰天だよ~というエピソードは枚挙にいとまがありません。大人でも九九できない人結構いるみたい・・・

そのほかにも日本でもよく知られているようなかなり有名な工学系の大学で、入学前の数学の予備授業で小学生のわり算からやり直しの内容だったと聞いてこれまたびっくり。

現地校にお子さんが通う場合、基礎計算がしっかりできているかどうか確認して、できてなければ手当をしておかないと、下手するとまったく基礎計算ができないままになってしまうと危惧しています。

読み・書き・計算は、あらゆることのベースとなる力

現代は価値観も多様化していて、好きなことだけやればいいという風潮が強くなってきていますが、さすがに基本の読み書き、小学校までの計算は必須。その一番のベースがなければ、好きなこともあるレベル以上には上達しません。
本を読んで理解できる、人の話を聞いて理解できる、自分で咀嚼して考えることができる(応用)、簡単な計算ができることは、何か(好きなこと)を学んで深め、上達するために大きな助けになります。

例えていえば、自転車に乗れる人と乗れない人が1000mの競走をするようなもの。
1人は自転車でラクに圧倒的に速く走れるのに、もう1人は自転車に乗れないばっかりに自分の足で気合で走るしかありません。
大変な思いをしても自転車と比べたらぜんぜん速く走れない。
またはゲームで大した武器を持たずに戦いに挑むようなもの。それこそ無理ゲーです。

勉強に限りません。生きていくうえで、趣味、健康について、料理について、人間関係について、メンタルについて、勉強や仕事に限らず何かを知る、学ぶということは生活そのものです。そのために小学校までの読み・書き・計算は必須です。

学び、上達することは、自信を深めること

計算スピードというのは、算数において超重要です。
そして、特別な事情がない限り誰でも手に入れられるものです。
その子も、今からでも全然遅くないので、がんばって計算スピードという強力な武器を手に入れてほしいと思います。
そして、「自分はできるんだ」と自信をつけ、深めていってほしいと思います。

何かにチャレンジして自分の成長を実感できることってこどもの人間的な成長に大きく関わります。
それは、スポーツでも芸術でもなんでもいいと思います。
そろばんは、その実感が得られやすい習い事です。

ゲームをクリアするかのようにテキストを進めるごとに味わえる達成感。
細かく級設定がされており、繰り返し味わう達成感によって深めまる自信。
指先を細かく素早く使う作業は脳と身体を刺激、活性化して能力開発になります。
スリリングなスピードゲーム的な要素は楽しさで夢中にさせてくれます。

習い事としてのそろばんについて知りたい方は、こちらの本がぜひおすすめです!


https://www.amazon.co.jp/dp/4344947096

◆書籍の概要紹介━━━━━━━━━━━━

そろばんは、計算力だけじゃない!
子どもの能力開発や
心の成長にもつながる学習法

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そろばんを用いて、子どもの潜在能力を最大限に引き上げる方法について、
脳科学者の解説も取り入れて詳しく解説します。
いしど式そろばん50年の経験と教育現場の実例も多数掲載されています。

【目次】
第1章 子どもの能力を引き出すには、どんな習い事を選ぶのが正解?
第2章 脳科学者も注目しているそろばんと脳の関係
第3章 集中力、記憶力、創造力、判断力、忍耐力
子どもの能力を最大限に引き出す“いしど式そろばん”
第4章 しつけや心の教育にも役立つ “いしど式そろばん”がもつさまざまな効果
第5章 受験に合格、仕事で成功、海外で活躍!
“いしど式そろばん”で能力を引き出せば輝かしい将来が待っている

投稿者プロフィール

のぶ先生
のぶ先生
Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。