カルチャーショックが大きかったので前回このような記事を書きました。
今回はそのつづきです。
日常生活をちゃんと経験することの大切さ
時計の読み方を学校で習うって変じゃない?
実は、ずーっとそう思ってました。
なんで家で毎日見てるのに読めないの?と不思議でしかたなかったし、今でもそう思っています。
学校で習う以前に(習った記憶もないのですが・・・)時計が当たり前のように読めるようになるのではないかと思うのです。
家庭で子どもが毎日当たり前に使っていれば。
いい意味で子ども扱いしない
小学校1年生のときも電車に乗って2駅のスイミングに一人で通ってた記憶もあります。切符を線路に落として泣いて帰ってきた記憶も(笑)
昔は今よりもっとのどかだったので1年生が1人で電車に乗るのも普通だったでしょうけれども、今では危なくてさせてもらえない、周りが許さない社会になっちゃいました。
そこは逆にこどもが経験の機会を奪われてしまってかわいそうに思いますが、どうしようもないですね。
私の両親もきっと、この子にはまだ難しいとか思わず、子ども扱いせずになんでも普通に扱ってくれたのでしょう。
そういえば、これも小学校1年生か幼稚園生のとき、父が「よく飛ぶ紙飛行機集」を本気でつくって、私たちこどももつくって飛ばしたのも強烈に覚えています。
https://www.seibundo-shinkosha.net/series/paper_plane_collection/
父のつくった飛行機があまりによく飛びすぎて、初飛行でどこまでも飛んで行って、そのまま野原の向こうに消えてしまいました(笑)
子どもだましではなく本格派の遊びをまだこんなに小さい子と一緒にやってくれた父。
今思うと、当人にその気はなくとも、結果的に素晴らしい経験をさせてくれていたのだと思います。
幼稚園か小1のときに家で神経衰弱でよく遊んでたのも思い出します。手加減してくれてたのかどうかわかりませんが、何しろ得意だった記憶があります。
今は、トランプ自体をやったことがない子がかなり多い印象を受けます。
トランプは親子で楽しめて、コミュニケーションツールとしても素晴らしいのでぜひおすすめします。
もちろん、数字で遊ぶので、数にも親しみが湧くきっかけにもなりそうですね。
また、たった1種類のトランプで実に色んな遊び方ができるというのも素晴らしいです。ルールも改変して遊びやすくできますし。
リアルな経験から脳が受ける刺激
幼児期、こうした家でのなんでもない日常生活、会話、遊びを通じて、興味関心、観察力、自己効力感などなど色んなベースが培われていくのではないかと思うのです。
教科書に載っていることはごく限られた決まったこと。そして、実感しにくいことが多い。それに対してリアルな生活ではありとあらゆる多様な要素、不確実性に満ちています。
テニスボールを壁に向かって投げてはね返ってきたのを素手でキャッチしてみてください。慣れている人には実に簡単な動作ですが、慣れていない人にとってはものすごく難しくてキャッチできません。教室で試してみたら、子どもたちは全然できませんでした。このときに身体で起こっていることは、めちゃくちゃ複雑なことですが、慣れるとそれを無意識に瞬時にできてしまいます。
リアルな生活の中で身体感覚をともなった一連の動作というのは、五感と運動神経をフルに使うため、脳が活性化されて処理能力が引き上げられるのではないでしょうか。幼児期には、身体感覚を伴った色んな経験をたっぷりすることが非常に大事と思います。知識が身体感覚と結びついて経験されたときには、それが知性のベースになっていくように思います。
知識と結びついて経験したことは理解しやすい
知識もリアルな動作、経験と結びついて記憶され、しかも生活の中で何度も繰り返されます。お勉強として習って頭だけで理解するよりも格段に覚えやすく、また、生きた知識になりやすいのではないかと思います。
経験として持っていると、あとで勉強として学ぶときにも経験と結びつけることができて理解もしやすくなるでしょう。
大人の私たちも、何かを学ぶときに「体験型」「ワークショップ」などの方が格段に身に付きやすいしやる気も起きますよね。
それと同じで日常生活をちゃんと経験させてあげることは、非常に大事だなと思います。
例えば料理やお菓子づくりを一緒にやったりするのでも数字はたくさん出てきます。
分量を量る、重さを量る、温度を設定する、時間を計る。
LaterJay PhotographyによるPixabayからの画像
バスに乗るんだったら、時刻表を見て、時計を見て、今15分だね。バスが25分に来るから、あと10分だね。このバスは5分、25分、45分と20分ごとに来るんだね。
お母さんが思ったことを言葉に出してこどもに話しかけると、それをこどもは聞いています。お母さんの思考過程を教えてあげてるようなものです。ただ、そこで理解させようとしてはいけません。赤ちゃんに言葉を理解させようとして教えないのと同じで。ただバスに乗るたびに口にしていれば子どもはいずれ理解します。たくさんの経験から自分で論理を見つけ出していきます。
あるいは、これなあに?とかなんで?とか聞いてくるかもしれません。興味を持ったときが一番の学びのチャンスです。
ところが、たいがいオトナは、めんどくさがってしまったり、こどもの疑問に真剣に向き合わなかったりします。
こどものリアルな経験をもっともっと大事にしたいなと思います。
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投稿者プロフィール
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Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。
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