そろばんで問題解決思考力を育てる、前回の続きです。
前回はこちら
https://soroban-schule.de/?p=11271
そろばん上級者が取り組む2つの難題、「正確性」と「スピード」を
両立させつつともに高めていくためのアプローチとして
① 反対アプローチ
② 観察
③ 分解
④ 分析
これによって「見る」がボトルネックになっていることがわかりました。
努力を正しい方向に向ける、扉を開けるには正しい方法、適した鍵をというお話をしました。
⑤ 対策立案・実行
あとは対策を立てて実行するだけです。
「見る」とは具体的には、
問題を見る瞬間のタイムロスのこと。
A そろばんを弾く自分の手が視界を遮って問題が見えない
仮にこのために0.5秒タイムロスしているのなら、1問につき14回あるので1問あたり7秒も遅くなる計算です。
そろばんを弾きながらちょくちょく右手をどかしていたらこれです。
では、どうしたらよいか。もう一度「観察」してみましょう。
いつ右手がじゃまで見えないか、「反対に」右手がじゃましないときはあるか。
右手がじゃましないときもあるのです。1番、2番をやっているとき。
3番4番5番と進むにつれてだんだん右手をどかすことが増えます。
「要するに」左側の問題は見やすく右にいくにつれて右手がじゃまで見えづらくなる。と、「分析」できます。
このように解決方法を見つけるにも、先の「反対アプローチ」「観察」「分解」「分析」によって糸口が見つかります。
「速くしたい」というおおまかな目的から「見る」のを速くしたいに焦点を絞ってもう一度サイクルを回す感じ。
右手がじゃまをしているのだから、右手が邪魔をしないようにするにはどうしたら?
・そろばんの位置を横にずらす
・問題を横にずらす
どちらの方法でもいいですね。
B そろばんをずらさないと次の数が見えないので毎回少しの間が空いてしまう。
仮にこの間が0.5秒だったら1問につき14回あるので7秒も遅くなる、Aと合わせると14秒も遅くなる計算です。
これは、そろばんを下にずらすタイミングを早めれば解決。
たしながら少しずつずらせば、最後の3桁をたすときにはもう次の数が見えている状態。
ちらっと先に見ておけば間髪あけずに次の数をたせます。
「はじく」も同様にかなりのスピードアップが可能です。
「書く」も「すらす」もやり方を工夫することでかなりスピードアップにつながります。
このように自分で工夫を重ねて難題を乗り越えて上達していく経験はとても貴重なものだなと思います。
「問題解決思考」って特別なことでもなんでもなくて、そろばんでも、スポーツでも、学校の勉強でも何にでもあてはまります。
一連のステップの中でも特に「観察」は非常に重要です。
私は、ある本で「ヴィパッサナー瞑想」についての記述が非常に面白くて意識するようになりました。ひたすら自己観察するのです。また、400mハードルの銅メダリスト、「走る哲学者」為末大さんのお話や本が好きで、著書「熟達論」の中で「観」について書かれています。
このあたりはおいおいご紹介できたらと思います。
このテーマはいったんここまでにしますね。
投稿者プロフィール

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Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。
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