いしど式では「イメージコントロール法」が指導においてひとつの柱になっています。

イメージコントロール法についてはこちら

もともとスポーツの分野から発展したものなので、あらゆることに応用可能、絶対会得しておきたい一生ものの技術です。

「イメージ先行」の威力

そろばんを弾く際には、より具体的にイメージしてからその通りに珠を動かすことを指導します。
なので、以前書きましたが「ながら」は御法度。九九を言いながらではなく、言い終わって何をたすかわかってから珠を動かします。
レベルが上がれば、珠に触れる前に何をたすか、珠をどう動かすかまでイメージできています。
もっとレベルが上がれば、それを二手先、三手先までイメージ先行して手があとからついてきます。

スポーツでも、楽器の演奏でも、勉強でも、このイメージ先行、一歩二歩先を読んで行動するというのは非常に重要な力です。

音読では実は常に先を見ている

スムーズに音読している人は意識していませんが、読みながらも常に少し先を見て頭でわかった状態で口があとからそれをなぞっていきます。意外と高度なことをやってます。

まだたどたどしくしか音読できない人はこれができず、一字ずつたどたどしくつっかえながらしか読めません。でも、訓練すればできるようになります。

車の運転も少し先を見てないと危険!

車を運転している時、すぐ目の前3mほどしか見ていなかったらどうでしょうか?

先を見るというのは重要ですが誰でもできることです。

 

楽器の演奏にイメージ先行は必須

「音楽は時間の芸術」なんて言葉があります。楽譜を見ながら演奏しているときは皆そうだと思いますが、今出した自分の音を聴きながらも目は少し先の方まで見て常に次の準備、次の音をイメージできている状態、ひたすらその連続です。イメージが先行して、指は自然とあとからそれをなぞっていきます。

ただ落とし穴があって、同じ曲の練習を繰り返していると指、体が動きを覚えてしまって、イメージ(=音楽)がなくても惰性で形だけは指の運動で弾けてしまえますが、中身(=音楽)が何もなくなってしまうのが難しいところ。

逆に音楽のイメージが具体的であればあるほどすべての音を思い通りにコントロールしてよい感覚で弾くことができます。

やったことないのにイメージ通りのプレーができてびっくり!!

超具体的にイメージすることはスポーツでも大きな威力を発揮します。

実は小3から高3まではサッカーばっかり、朝から晩までボール蹴ってました。

とりわけ良いプレーができたときって、頭に描いたイメージと寸分違わぬことが起きていたな〜と我ながらびっくりしたことが何度もあります。

高校生のときに試合で右サイド前方を相手マークを引き連れて走る味方に逆サイドからロングパスを通そうとした時のこと。
内側を敵が、外側を味方が走っているので、直線的な軌道でパスすると内側を走る相手にとられてしまう。
そうならないためにはグーッとカーブをかけて巻いた軌道にすればいけるなとイメージして蹴ったら本当にイメージ通りの軌道で敵はボールに届かず、その外側を全速で走る味方にピタッと通ってしまって自分でもびっくり。カーブをうまく蹴ったことはなかったのでうまくいきすぎ・・・

味方のコーナーキックで相手がクリアする時のこと。
このときって相手DFが一斉にラインを上げてキーパーも前に出てくることが多いので、いいボールが来たら直接ゴールを狙おうと常々思っていたのですが・・・
練習試合でまさにイメージ通りのシチュエーションになり、センターサークルにいた自分のところにクリアボールが「どうぞ〜」と言わんばかりに飛んできました。ボールの勢いを利用して小バウンドで一番飛ばしやすい形でロングシュートをとイメージしていたのですが、まさに寸分違わずその通りの展開に。ボールはイメージ通りゴールに吸い込まれて自分でもびっくり、漫画みたいな超ロングシュートが決まってしまいました。

ほかにもだいたい良いプレーができたときは、3歩4歩かもっと先まで相手と味方と自分とボールの動きを細部まで具体的にイメージできていた気がします。

ただ残念ながらそれらは全部そのときたまたまできただけで再現性が低かったのです。なのでプレイにすごくムラがありました。
当時は何も考えずただ動物的に本能任せで動いていたからでしょう😅
イメージの力を知ってイメージ先行を常に意識して練習していたらもっとちがったかもしれません。

そろばんでイメージ先行の練習をしよう!

そろばんはまさにイメージ先行の連続です。
問題を見て、そろばんの盤面を見て、珠をどう動かすかイメージして、珠を動かすときには目は既に次の問題を見ていて次の動きをイメージして…を次々に連続して行います。
これにだんだん慣れてくるとこどもたちはとんでもないスピードで珠を動かすようになっていきます。大人になってから始めた私にはうらやましすぎるほどに見事なものです。

そのスピードは級を上がるごとにどんどん速くなっていきます。上級になるとイメージ先行してなければとても合格できません。

次の回で具体的にどう練習するのかをまとめますね。とても些細なことなのですが、それが非常に大きなちがいを生みます。

イメージ先行は何をするにも有効!

そろばんの指導の時にも子どもによってはサッカーに例えて教えます。

「サッカーでは、ボールをもらってからどうしようかって考えてたら敵にやられちゃうよね?上手な選手はボールをもらう前に次どうするかイメージして動いてるんだよ。」
「そろばんも一緒だよ。まずイメージしてその通りに指(珠)を動かすよ。」

「イメージ」という言葉がまだわからない子には、「やったつもりになって」と言います。どういう言葉を選ぶかを相手によって適切に変えるのもとても大事。

楽器をやってる子には楽器の演奏に例えたり、ダンスが好きな子にはダンスに例えたりとその子のやっている他のことに例えるとすんなりとわかってくれます。

こうして考えるとそろばんの練習も他のすべてのことにつながりますね。

投稿者プロフィール

のぶ先生
のぶ先生
Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。