アスリートが当たり前に行っているイメージコントロール法
いしど式の柱として「イメージコントロール法」があります。
イメージコントロール法とは、スポーツ選手などが行う「イメージトレーニング」の一種で、成功体験やポジティブなイメージを繰り返し強く心に刻むことで、雑念を取り払い、集中力を高める手法です。具体的な目標を声に出したり、良いイメージで学習や練習に取り組むことで、学習効果やパフォーマンスの向上を目指します。
大事なのは前向きな気持ち
気分よく前向きな気持ちで練習するのと「自分はできない」「自分はダメだ」と思いながら練習するのではどちらがよいでしょうか?
「楽しい」「できる」と思うからできるようになるし、「できない」「ダメだ」と思うからできない。
最近、日本人アスリートが世界トップで活躍する姿を頻繁に見るようになりましたよね。30年前はこんなことは到底考えられませんでした。
ちょうど30年前の1995年に野茂英雄がメジャーリーグに挑戦。野球関係者の誰もが口を揃えて「無謀だ」「やれるはずがない」と非難轟々。
しかし、「野茂がメジャーリーグを救った」と言われるほどの大活躍でNOMOフィーバーを巻き起こします。
自分で勝手にありもしない壁をつくらない。限界をつくらない。
野茂が限界の壁を破ったのでしょうか?
実は、元々そんな壁は存在せず、日本人が勝手に心の中につくりあげていた幻だったのではないでしょうか。
野茂が日本の野球少年たちに自信と勇気を与えたことで心の壁は消え失せました。
日本の野球選手たちにとってメジャーに行くことは目標ではなく通過点となりました。
今や大変多くの日本人選手がメジャーで主力選手として大活躍するのが当たり前になっています。
遂には大谷翔平選手。野球の神様ベーブルースを軽く超えてしまい、全世界の野球界のトップに君臨しているといっても過言ではないと思います。
メジャーで活躍するイメージを当たり前のように持っている、これがイメージコントロール法の威力だと思ってください。
そもそも赤ちゃんは限界知らず
本来赤ちゃんは自分が何かを「できない」と思うことなんてないはずです。
周りの大人やお兄ちゃんお姉ちゃんがしていることを自分も当たり前のように真似してできるようになっていきます。
しかし、寝返りすらできなかった赤ちゃんがたったの1、2年で自分の足で立って歩き回り、言葉を理解して話し始めるなんでとんでもない無理ゲーなのです。
赤ちゃんは「できる」イメージしか持っていないはず。だって、まわりはみんな当たり前にできてるから。今現実にまだ立てない、歩けない、話せないとしても、万が一にも「できない」と不安になることはない。「できるようになる」ことに一片の疑いも持ち合わせていない。
我々も赤ちゃんを見習いたいものです。
イメージコントロール法と先生の役割
ところが、言葉を覚え知恵をつけ始めると余計な考え、思いを抱くようになり、それが自分自身を縛って可能性を奪ってしまう。
「不安」「見栄」「他者からの評価」「人との比較」「劣等感」・・・
昔よりも打たれ弱い子、心が折れやすい子が増えたという印象は多くの方から聞きます。
最近の子は頭がよくなりすぎなのかもしれません・・・
幼児でも、自らガチガチに限界の壁をつくりあげてしまって、ちょっと新しいことにチャレンジしようとするとこの世の終わりかのように怖がって泣き叫ぶ子、ちょっとまちがえただけで人生終了レベルに落ち込む子がいます。そこまで表面に出なくとも、ネガティブに考えがちな人は大人子ども関わらずとても多いです。
「そんなの無理」「できるはずがない」「だって・・・」「もし・・・だったら・・・」
何か新しいことをやろうというときに、反射的にこうした言葉が先に立ち、できない理由を挙げ連ねる子もいます。
一方、新しいことに目を輝かせ、できるできない関係なく果敢にチャレンジを楽しむタイプの子もいます。
人間は、大人になってから変わることは非常に難しいですが、子どものうちは変われる、可能性を広げられる、成長の余地がたくさん残っています。
ネガティブが先に立って自分で壁、限界をつくって自分を縛ってしまう子たちに必要なのは、甘やかさず勇気づけ、あと押しして一緒に歩んでくれる先生です。
目の前で「できない」と泣き叫んでいた子が翌週には嬉々としてできなかったはずの問題をこなして得意になっている。
また翌週には泣き叫び、その翌週には満面の笑顔。
「絶対無理とか言ってたのに大嘘つきだね〜」とふざけて声をかけます。
自分で自分を笑えるようになったら大きな前進です。
理屈抜きに、身をもってこうした体験を積み重ねていくことでしか、自らつくりあげた何重もの壁を壊して自由になることはできないでしょう。
幸い、スポーツや格闘技とちがってそろばんで難しい問題にぶち当たったからと言って死ぬこともないし怪我することも痛いこともありません。イメージコントロール法、そろばんを通じて「できる」「チャレンジは楽しい」という自信を積み重ねて心を鍛え磨いていってほしいなと強く思います。
投稿者プロフィール

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Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。
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