「問題解決思考」

「問題解決思考」という言葉を教育界隈で数年前からよく聞くようになりました。

問題解決思考を育てる学習についてはこちらを参考にしてみてください。

問題解決型学習(Project Based Learning)。これは別名「課題解決型学習」とも呼ばれ、知識の暗記などのような生徒が受動的な学習ではなく、自ら問題を発見し解決する能力を養うことを目的とした教育法のことを指します。生徒自身の自発性、関心、能動性を引き出すことが教師の役割であり、助言者として学習者のサポートをする立場で学習を進めて行きます。

https://career-ed-lab.mynavi.jp/career-column/168/

そろばんで問題解決思考力を育てる

そろばんはとってもシンプル。シンプルだからこそ、教育ツールとして非常に優れているのです。

そろばんで解決すべき問題は

① 正確性
② スピード

速く弾こうとするとまちがいが増えてしまう。両立が難しいこの2つをともに高めるという難題解決に日々向き合っているのが珠算上級生です。

まずは私が指導にあたるときのいくつかのステップを紹介します。
※以下は主に上級(3級以上)の練習をしている子で基本の型はできているけれども行き詰まっている子に対してとっている方法です。
初級や中級、低学年の子にはこうした手法はとりません。うまくいかないときは基本の型が崩れているとき。中級まではとにかく基本の型の徹底だけを意識します。

① 反対アプローチ

「もっと速くしたい」から、そろばんを速く弾くのをがんばっているのになかなかうまくいかない・・・どうしたら?

そこでまったく逆のアプローチ。
「速い」の反対の「遅い」に注目します。

「遅くしている犯人は何か?」

② 観察

実際にそろばんを弾くところを観察します。
生徒に、自分自身がどのようにそろばんを弾いているか、「気持ちよくできる瞬間」「もどかしい瞬間」など、弾いているときの気持ちの変化について観察するように言います。

③ 分解

②観察をより詳細に細かく、スローモーション映像を見るかのように何段階にも分解していきます。

見取算だったら、実際に何をしているのかというと…
1. 問題を見る
2. そろばんを見る
3. たす方法を判断する
4. 指で珠を動かす
5. そろばんをずらす
6. 次の数を見る(2にループ)
これを15回繰り返したのちに
7. そろばんに置かれた数を読み取る
8. そろばんをずらす
9. 答えを書く

結構多くのステップです。
プログラミングをする人はこういう分析は得意なはず。

細かく見ていくと道を見失いがちなもの。「要するに」と大きくまとまりをつけることも大事です。

やっている動作は要するに、
「見る」
「はじく」
「ずらす」
「書く」
の4つですね。

④ 分析(ボトルネック探し)

では、どこが「ボトルネック(遅くさせている犯人)」になっているのか?
「ボトルネック」の意味とともに子どもに教えます。

実際にこどものそろばんを観察してみてください。
「見る」「はじく」「ずらす」「書く」のどれがボトルネックになっているのでしょう?

実は、「見る」なんです。

「見る」のに時間がかかっているのに、「はじく」をがんばっているのです。
がんばってもがんばってもスピードは少ししか上がらないですよね。
穴のあいた容器に水を一所懸命汲む前に、まずは穴をふさぎましょう!

努力の方向がずれているのを正しい方向に修正するのです。
引いたらあっさり開く扉を一所懸命に押して「開かない〜」ってなった経験ありませんか?
恥ずかしながら私はあります😅
自動改札を通ろうとしてなぜか家の鍵を出したことも🤣
玄関を開けようとしてなぜか定期を出したことも…🤣🤣🤣

扉を開けるには正しい鍵を使わなきゃ!
そんな感じです。(いや、ちがうかな…)

ちょっと長くなってきたので続きはまた来週に!

投稿者プロフィール

のぶ先生
のぶ先生
Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。