先日の授業でとても印象に残ったことがありました。

結論から言うとスピードがなかなか上がらない原因を探ったら、なんと答えを書くのにものすごい時間がかかっていた、ボトルネックはなんとそこか〜!!というお話。
そろばんを弾くスピードをどんなに一所懸命練習しても速くしてもなかなか成果があがらないはずです・・・

とてもまじめに取り組む高学年の男の子。
珠算2級を練習しています。

計測前に手短に聞いてみました。

・いまいちどの種目も合格点に届かない
・どこを改善したらよいかがわからない(特に考えていない)
・よって解決策を持っていなくてただ練習をがんばっている

おおむねこんな状況。

OK、じゃあやってみよう!ということで計測スタート。
見ていると、
・運指(指使い)OK
・運珠(珠を動かす順番)OK
・その他指さばきOK
そろばんに何の問題も見当たりません。
ところが、答えを書くのに随分時間がかかっています。

そこで、ストップウォッチで
①そろばん上で答えを出すまでの時間
②答えが出てから答えを書き終わるまでの時間

を測ってみました。結果は・・・
①1問解くのに20秒(速いものは)
②その答えを書くのに9秒

答えを書いてる時間長すぎ!!

このように、まずその子の実際を観察すると糸口がつかめます。

ここで大事なこと!!

この子にただがんばれ、たくさん練習しろと言っていたらどうなるでしょう?

自分で原因を探し、解決策を考え出し、最適な練習をできるような出来杉くんだったとしても・・・
最初のうちは苦手部分の克服のためになかなか効果が上がらない状況が続くでしょう。そこを根気よく伴走して勇気づけてあげる先生が必要です。

でも、そんな出来杉くんはレア。ただやみくもに練習して、なかなか結果が出なくて、自信も失いがちになって。。。
それでも根性のある子はたくさん練習してだんだん慣れてきてなんとなく力がついていくでしょう。
ただ、実際はなかなかそううまくはいかないことの方が多いです。

そのために、先生がいます。
がんばれ、もっと練習しろと言うだけなら誰でもできます。
先生は、しっかりと子どもを観察して、子どもの状況(得意不得意、問題点)を把握して、その子にとって最適であろう方向に導き伴走してあげることで、色々なタイプの子どもの成長を支えていける存在にならなくてはいけないと思うのです。

 

話戻って、じゃあ、この子の場合、解決策をどうするか?

この子の場合、そろばんをもっと速く弾く練習ではなく、答えを書く時間を短縮する練習が必要ですよね?

その子の実際をよーく観察します。どんなやり方をしているのか?なぜ答えを書くのにそんなに時間がかかるのか?
ボトルネックは何なのか?

かけ算では答えが9桁くらい。答えを書くときに何度もそろばん上の珠を見直しています。
極端な話、1文字ずつ9回見直してたら、そりゃあ時間がかかるわけです。

ほんとに細かいところで意外にも多くの時間がかかるもの。
対処法はいろいろ。その子の得意な方を強化します。

そろばんで弾き出した答えを書くためにどんな能力が必要かと言うと・・・

・盤面の珠を読み取るスピード
・読み取って書くまでの間に記憶保持できる桁数(1桁ずつ見返すか、9桁覚えて一気に書くか、その中間か)
・数字を書くスピード
・あるいは、ブラインドタッチならぬブラインドライティングで読み取ると同時に書けてしまうか

これらが苦手で時間がかかっているわけだから、苦手を克服する練習を集中的にやると効果的ですよね。

じゃあ、こんな練習をしよう!と冒険は続いていきます。

観察 → より細かく観察 → ボトルネック発見 → ボトルネック解消のための練習考案 → 練習 → 改善

このように問題解決のプロセスは創意工夫に満ちているので、それ自体を楽しめる子は最強!
そうした力を培っていきたいなあ・・・

投稿者プロフィール

のぶ先生
のぶ先生
Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。