先を見据えて緻密に練り上げられた指導体系
そろばんの先生が授業中にすることの中で、そろばんの技術的指導は当然最重要です。
いしど式で驚かされるのは、その指導体系がいかに緻密に練り上げられているかということです。
研修ではその奥の深さの一端を学び、毎度ながら感銘を受けています。
しかも、その指導体系は、できる限り多くの子が一番習得しやすいようにという思いを込めて考え抜かれたものなのです。その通りにやれば本当にすごい力がついていきます。
技術指導というのは、奥が非常に深くって、ただ足し算のやり方はこう、引き算はこう、かけ算はこう、わり算はこうとやり方を教えるのではありません。
目の前の子の今この瞬間に合った指導をするのですが、今ここでする指導はその先を見据えて、上の級に上がったときのための非常に大事な準備もかねているのです。
9級をやっているなら、9級ができるようになればよいのではなく、その先の8級、7級への布石、基礎を9級の段階でしっかり身につけさせる必要があります。
「基本の型」をスモールステップで身につけていく
そのために、例えばかけ算だったら九九を読んでから珠を弾く。読みながら弾くのは絶対にダメ。また、必ず指おさえをする。
こうした、「そんなのどうでもいいんじゃないの?」と思うような細かな「基本の型」がありとあらゆるところで出てきます。というより、その「基本の型」を習得させるために先生がいます。
これは本当に大事で、「そんなのしなくてもできるよ」と言ってやろうとしない子は、十中八九、あとでつまずきます。つまずいてから修正するのは、悪い癖が染み付いてしまっているのでなかなか大変です。
結局、基本を素直にしっかり身につけて行った子に追い抜かれてしまいます。
かけ算九九を言ってから弾く、指おさえをするというのは、8、7、6、5級と級が上がるほどに重要になっていきます。ところが、上級になるとなんと「大事な基本の型」を崩す、指押さえをはずさせる指導に変えていくのです。
ただし、初級、中級者が最初から上級の技術をやろうとしても難しいだけで全然できるようにならず、いやになってやめてしまいます。なので、いしど式の指導体系は各段階にジャストフィットするようになっているのです。これが万事にわたり行き届いているなんてすごすぎて震えます・・・
ですから、先生が生徒に各段階の「基本の型」を本当にしっかり指導をし、生徒も素直にひとつずつ丁寧に習得していくときには、いしど式の効果が最大限発揮されて、生徒の驚くほどの成長を目の当たりにすることになります。
もちろん個人差は大きいです。例えば九九をあっという間に覚えてしまう子もいれば、なかなか覚えられない子もいます。それはその子の学びと成長の段階もあるので、それぞれに合うように少しだけ工夫を入れていきます。
また、先生の指導を素直に受け入れられない子も苦労します。「我」が強すぎると学びを妨害してしまうのです。
これは先生も同じですね。
「我」を捨てると大きな自由が得られるんだなあ、と思うことが増えました。
投稿者プロフィール

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Bingo! Soroban School 責任者
そろばん教室でこどもたちと接するのが楽しくてたまりません。
自信を持って新しいことにどんどんチャレンジする子が一人でも多くなってほしいと願っています。
中学受験専門塾、中学高校受験塾の講師として15年あまりこどもたちに接したのち、紆余曲折を経て2013年ASOBO!、2016年そろばん教室を立ち上げる。2019年いしど式に加盟、全国珠算連盟認定教師。
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